レバノン攻撃続けるイスラエル、ヒズボラが応酬 双方が停戦違反を主張
(CNN) レバノンの武装組織ヒズボラが、11月27日の停戦発効後初めて、イスラエルの占領地に向けて飛翔(ひしょう)体2発を発射した。停戦後も攻撃を繰り返すイスラエルに対する対抗措置と位置付けている。
イスラエルは停戦発効翌日の28日以来、毎日攻撃を続けており、レバノン保健省によれば同国南部の攻撃で1人が死亡した。
イスラエル軍によると、ヒズボラが発射した2発の飛翔体は12月2日、空地に着弾した。けが人はいなかった。
その数時間後、イスラエル軍は、レバノンでテロを標的とする攻撃を開始したと発表した。イスラエルのネタニヤフ首相は、ヒズボラの攻撃を「重大な停戦違反」と位置付けて報復を宣言していた。
これに先立ちイスラエルは2日にも国境を越えた攻撃を行ったことを明らかにしていた。ヒズボラがイスラエルとレバノンの合意に違反してイスラエルの民間人を脅かす行為を行ったとイスラエル側は主張。対抗措置としてヒズボラのミサイル製造施設の軍事車両や、シリアとの国境に近いレバノン北部のトンネルを狙ったとしている。
CNNと提携するイスラエルのメディアによると、米国とフランス政府はイスラエル軍による停戦違反があったとしてイスラエルに警告した。
国連レバノン暫定駐留軍(UNFIL)の関係者によれば、イスラエルは11月27日の停戦発効以来、およそ100回にわたって停戦合意に違反している。
ヒズボラは、イスラエルが停戦合意違反を繰り返したことを受け、イスラエル軍の拠点を標的にしたと発表。イスラエルが停戦を破って民間人に対する射撃やレバノン各地の空爆を行い、市民を殺傷したほか、レバノンの領空侵犯を続けて首都ベイルートに航空機を到達させたとしている。