最後まで残る病院にドローン攻撃、女性や子ども70人が死亡 スーダン
(CNN) アフリカ北東部スーダンの北ダルフール州の州都エルファーシルで、唯一機能していた病院が24日にドローン(無人機)で攻撃され、少なくとも70人が死亡した。現地の当局者や世界保健機関(WHO)が明らかにした。
WHOのテドロス事務局長は25日、この病院は攻撃された当時、治療を受ける患者であふれ返っていたと述べた。スーダン外務省によると、犠牲者の大半は女性と子どもだった。
スーダンでは1年8カ月にわたって続く内戦で衝突がエスカレートしている。準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」と国軍(SAF)の勢力争いは世界最悪級の人道危機を引き起こし、国連によるとこれまでに2万人あまりが死亡、110万人以上が避難を強いられた。
多数の市民が犠牲になる攻撃は各地で後を絶たない。北ダルフール州のカブカビヤでは先月、大勢の人でにぎわう市場で爆弾が爆発し、100人以上が死亡した。
テドロス事務局長は、24日の病院攻撃に関与した者については言及しなかった。RSFとSAFは、民間人を狙ったドローン攻撃について互いに非難の応酬を繰り返している。
ダルフール州知事は、RSFが病院を攻撃したと述べ、「中にいた患者全員を抹殺した」として非難した。
スーダン外務省もこの攻撃をめぐってRSFを非難。「軍事組織が病院の事故病棟をドローンで攻撃し、治療を受けていた70人あまりの民間人が大量虐殺の犠牲になった。ほとんどは女性と子どもだった」と発表した。
テドロス事務局長は、北ダルフールでは激しい爆撃のために医療施設が閉鎖され、ただでさえ医療の提供が難しくなっていると指摘。双方に対し、戦闘を中止して医療機関に対する攻撃をやめるよう求め、「スーダン国民は何よりも平和を必要としている。平和こそ最高の薬だ」と訴えた。