スーダン北ダルフール州で唯一の公立病院、閉鎖の危機 内戦激化で
(CNN) アフリカ北東部スーダンの北ダルフール州で唯一稼働している公立病院が閉鎖の危機にひんしている。国際医療組織「国境なき医師団(MSF)」が14日、警告した。
昨年4月に勃発した国軍(SAF)と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の内戦により、同国では1万8000人以上が死亡、3万3000人が負傷している。
RSFが5月、北ダルフール州の州都エルファーシルを包囲して以降、戦闘は激化。
国境なき医師団によると、先週行われた同市への継続的な爆撃により国境なき医師団が支援するエルファーシルのサウジ病院は甚大な被害を受け、ほとんど機能していない。この攻撃で少なくとも15人が死亡、130人以上が負傷したという。
この施設は市内で負傷者の治療と手術ができる最後の公立病院。
11日には外科病棟が別の攻撃を受け、介護者1人が死亡、5人が負傷した。
1週間前に砲撃を受け、エルファーシル近郊のザムザム・キャンプに人々が避難する中、国境なき医師団の野戦病院には負傷者が次々に運び込まれ、「異常な圧力」にさらされているという。
国連児童基金(ユニセフ)の報道官は13日、記者会見で、緊急に対策を取らなければスーダンの「何万人もの」子どもが死の危険にさらされると警告した。
報道官は「何千人もの子どもが内戦で死亡したり負傷したりしている。性暴力と徴兵が増加している。人道支援活動が継続して行われず、状況は悪化している」と訴えた。
報道官によれば、スーダンでは500万人の子どもが家を追われ、世界で最も多くの子どもが避難を余儀なくされる危機に陥っている。ザムザム・キャンプでは飢餓が広がり始め、子どもたちが命を落としているという。