イスラエル軍、ヨルダン川西岸でもガザと同様の軍事作戦 市長が懸念
(CNN) イスラエルの占領下にあるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区ジェニンの市長は3日、CNNの取材に対し、イスラエル軍によるジェニン難民キャンプへの攻撃はパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘と同様のものだと述べた。イスラエル軍の攻撃によって120軒の建物が破壊され、1万5000人が避難した。
市長は「ジェニン市と難民キャンプで過去2週間に起きていることは、規模は小さいが、ガザで起きていることと同様だ」と語った。120軒の建物が破壊され、数千世帯に影響が出ているという。
市長によれば、イスラエル軍の軍事作戦によりサービスに影響が出ており、食料や水、医薬品が不足するなかで状況が厳しくなっている。避難民は増加する一方だという。
イスラエル軍はヨルダン川西岸地区での軍事作戦について、「テロリストとテロのインフラ」を排除し、作戦終了後にテロリストが難民キャンプに戻らないようすることだと主張。これが、ガザで繰り返された襲撃の方法から得られた教訓だとしている。
3日、イスラエルの占領下にあるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区ジェニンを歩くイスラエル軍兵士ら/Raneen Sawafta/Reuters
パレスチナの保健省によれば、イスラエル軍が軍事作戦を開始して以降、ヨルダン川西岸地区全体では40人あまりのパレスチナ人が死亡した。死者のうちジェニンで死亡した人は25人にのぼる。数十人の負傷者も出ている。
極右政党党首でガザでの停戦にも反対していたスモトリッチ財務相は先に、ヨルダン川西岸地区での安全保障も「戦争の目標」に加わったと主張していた。
イスラエルのカッツ国防相は先週、現在の軍事作戦が完了した後もイスラエル軍がジェニン難民キャンプにとどまり続けるとの見通しを示した。これはイスラエルにとって大きな政策の変更となる。
市長は、国防相の発言に懸念を表明し、ジェニン市やジェニンの難民キャンプだけでなくヨルダン川西岸地区の将来について疑問を引き起こしていると述べた。