少数派ヤジディ教徒を奴隷にした女性被告に禁錮12年 スウェーデン
(CNN) スウェーデンの首都ストックホルムの裁判所で11日、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)支配下のシリアで少数派ヤジディ教徒の子どもや女性たちを奴隷にしたとして罪に問われた女性被告(52)が、禁錮刑を言い渡された。
裁判所によると、被告は2015年、シリアの首都ラッカで5カ月にわたり、ヤジディ教徒の子ども6人と女性3人を奴隷として監禁した。この間、被害者らはヤジディ教の行事や文化を禁じられ、イスラム教の慣習を強要され、家事労働を指図された。暴行や性的嫌がらせを受けた被害者もいた。
被告はジェノサイド(集団殺害)と人道に対する罪、重大な戦争犯罪で有罪となり、禁錮12年の刑を言い渡された。名前は公表されていない。
ISISは当時、ラッカを「首都」とする「国家」を築き、イラクなどに住む多数のヤジディ教徒を殺害したり、子どもや女性を連れ去ったりした。
被告に拘束されていた被害者らは14年8月、ISISがイラク北部シンジャルにあるヤジディ教徒の村を襲撃した際に拉致され、ISISの男性メンバーらの奴隷として劣悪な環境に置かれた。女性たちは「組織的な強姦」も受けたという。
被害者らはその後、被告の自宅に移されて虐待を受けた。さらに被告から別のISISメンバーらに引き渡され、奴隷状態で拘束された。約2カ月後に何人かは救出されたが、子ども3人はその後何年間も解放されず、若い女性1人は行方不明になったままだという。