ハマスが人質解放の延期を通告、イスラエル反発 双方が停戦合意違反を主張
ハマス、人質解放の延期を通告
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは10日、イスラエルが停戦合意に違反したとして、15日に予定していた人質の解放を延期すると通告した。
これに対してイスラエルのイスラエル・カッツ国防相は、人質解放の延期を「完全な停戦合意違反」として非難。「ガザで起こり得るあらゆる筋書きに備えた最高レベルの警戒態勢」を軍に指示したと表明した。
ハマス軍事部門「カッサム旅団」のアブ・ウバイダ報道官は10日、「追って通知するまで、さらには占領者が過去数週間にさかのぼって補償を約束するまで」人質の解放を延期するとX(旧ツイッター)に投稿した。
しかしその後ハマスは、予定通りに人質を解放する可能性もあるとの声明を発表。延期の通告はイスラエルに対する「警告」であり、停戦合意を完全履行させるよう、仲介者から圧力をかけさせる狙いがあったと説明した。イスラエル側が停戦合意を守ることを条件に、予定通り人質を解放する可能性はまだあるとしている。
ウバイダ報道官は、イスラエルが避難した住民のガザ地区北部への帰還を遅らせ、ガザ地区の各地で住民を狙った砲撃や銃撃を行い、合意条件に沿った形での支援物資の搬入を認めなかったことなどが、停戦合意違反に当たると主張。さらに、イスラエルがテントやプレハブ住宅、燃料、がれきの撤去に使用する重機などをガザ地区へ搬入させず、医薬品や病院用物資の搬入も遅らせていると訴えた。
停戦交渉に詳しい外交関係者がCNNに語ったところによると、国連やカタールなどは仮設シェルターをガザに届けるよう要請しているが、イスラエルが拒んだという。