イスラエル軍、ガザ中部の回廊から撤退 停戦合意の一環
(CNN) イスラエル軍が9日、パレスチナ自治区ガザ地区中部のネツァリム回廊から撤退した。イスラエル軍の撤退は、イスラム組織ハマスとの間でかわした停戦合意の一環。
ハマスは声明で、イスラエル軍がネツァリム回廊から完全に撤退したと明らかにした。回廊はガザを北と南に隔てており全長は6キロで、イスラエルとガザとの境界から地中海へとのびている。
ハマスは、イスラエル軍の撤退について、「我が国民の意志の勝利だ」と主張した。
何十万人ものパレスチナの人々がネツァリム回廊を通じて北部へ帰還した。戻ったパレスチナ人の多くは徒歩や車、場合によってはロバで移動した。回廊を通過する人々は依然として、検問所と、1年3カ月にわたるイスラエル軍の攻撃によってもたらされた破壊の中を通過することになる。
イスラエル側からの撤退の確認はないが、CNNと提携している現地の記者によれば、ネツァリム回廊には9日、イスラエル軍の姿はなかった。
イスラエル軍は、1年3カ月におよぶガザへの攻撃の間、ネツァリム回廊を占領地として使用してきた。回廊からのイスラエル軍の撤退は、停戦合意の一環として、約2週間前に始まっていた。
ガザ当局によれば、イスラエル軍がネツァリム回廊を開放してから最初の72時間で、避難していたパレスチナ人約50万人が破壊された北部へ向かった。この人数はガザの人口の約4分の1に相当する。
イスラエル軍のガザからの完全撤退は停戦合意の一環だった。8日にはイスラエル人の人質3人とパレスチナ人の受刑者183人が解放された。停戦合意の第1段階では、人質33人が解放されることになっている。これまでに解放された人質は16人。
停戦合意の第2段階と第3段階に向けた協議の行方は見通せなくなっている。
イスラエルのネタニヤフ首相は、イスラエル軍のガザからの完全撤退とガザに拘束されている人質の帰還をめぐる第2段階についての協議を警戒している。スモトリッチ財務相は停戦合意が継続するなら辞任すると公言している。
イスラエル当局者は8日、ネタニヤフ氏が協議のため代表団をカタール首都ドーハに派遣することを確認した。「中位」の代表団が合意の技術的な詳細について協議を行うという。