自宅に戻ったらクマがいた、山火事逃れ床下に「避難」 米カリフォルニア州
(CNN) 山火事で大きな被害が出た米カリフォルニア州南部のロサンゼルス地域で、避難していた住民が自宅に戻ったところ、予想外の住人が床下にすみついているのを発見した。
同州アルタデナに住むサミー・アービッドさんが自宅の床下で発見したのは、体重約240キロもあるオスのアメリカクロクマだった。先月発生した山火事はアルタデナでも猛威を振るったが、クマは無事だったアービッドさんの家の下にすみついて生き延びていた。
地元住民が「バリー」と呼ぶこのクマは、以前からこの地区で何度も目撃されていた。温厚で人を襲ったりはしないクマだったとアービッドさんは振り返る。しかし「あのクマが私たちの家の下に住んでいるなんて誰も知らなかったから、本当に驚いた」という。
クマの存在に気付いたきっかけは、床下から物音が聞こえたことだった。最初は小動物だろうと思っていたが、うなるような声が聞こえたため不審に思って家の下にカメラを向けたところ、大きなクマがいた。
![床下で見つかったアメリカクロクマの「バリー」/From California Department of Fish and Wildlife](/storage/2025/02/11/384bdf2ded37b543682a30ccdb9b8e87/002-giknh00xoaa-ri.jpg)
床下で見つかったアメリカクロクマの「バリー」/From California Department of Fish and Wildlife
アルタデナの住民が避難する中で、クマは焼失を免れそうに見えたこの家の下に戻って避難を続けることにしたらしい。炎や煙が立ち込めてもクマがこの場所にとどまり続けた理由について、専門家は「煙でクマは止められない」「安全だと思える場所を見つければ、彼らを止められるものは何もない」とアービッドさんに説明したという。
カリフォルニア州魚類野生生物局は24時間かけて、バリーを家の下の空間から誘い出そうと試みた。CNN提携局のKCALによれば、同局はローストチキンの助けを借りて、バリーを家の下から誘い出すことに成功。わなを使って捕獲したバリーの健康チェックを行ってGPS首輪を装着した後、国有林に放した。