ハマス、戦闘後の武装解除を拒否 「イスラエルの代理人」との戦い誓う
(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの高官が、ガザでの戦闘の後にも武装解除はせず、逆に武装を拡大する可能性があると明らかにした。また他国に対し、ガザに入ってイスラエルと協力しないよう警告した。
「(ガザにおいて)イスラエルの立場に収まる者は誰であれ、イスラエルのように扱われるだろう」。ハマスの政治部門のメンバーで報道官を務めるオサマ・ハムダン氏は先ごろ、カタールの首都ドーハで開かれたアルジャジーラ・フォーラムでそう述べた。
「イスラエルの代理人として活動する者は、それ相応の結果を被る」(ハムダン氏)
イスラエルのネタニヤフ首相は17日、自身の立場を改めて強調。「ガザでの戦闘の後には、ハマスもパレスチナ自治政府も存在しなくなる」と述べた。その上で、「別のガザを作る」としたトランプ米大統領の計画に注力すると付け加えた。
トランプ氏は米国が「ガザを所有」して住民を移住させ、現地を中東のリビエラに変える計画を明らかにしている。今回のハマスの警告は、アラブ諸国がトランプ氏の計画への対案策定を急ぐ中で発せられた。アラブ首長国連邦(UAE)はかねて、戦闘後のガザの再建で一定の役割を果たすことについて検討する用意があると公言している。
ハムダン氏はまた、ハマスを武装解除する考えは議題に上っていないとも指摘。ハマスは戦闘によって「消し去られてはおらず」、今後再編され組織として拡大する可能性もあると付け加えた。
ハムダン氏の発言は、別のハマス報道官、ハジム・カッセム氏の主張と矛盾するように見える。カッセム氏によればハマスは「権力に執着」してはおらず、パレスチナ人の利益になるのであれば、ガザが次の段階へ進むにあたり、必ずしも政治もしくは行政上の役割を担う必要はないという。
イスラエル人の人質の解放交渉に携わり、水面下でハマスと協議した経験を持つガーション・バスキン氏は、ハムダン氏の発言に懸念を表明。X(旧ツイッター)への投稿で「戦闘をしたいというハマスの公式見解だ。エジプトとアラブ諸国によるガザへの提案を先回りして非難する内容だ」と強調した。
その上でこれは非常に悪い事態であり、イスラエルと米国側の落ち度だとの見解を示した。ハマス以降のシナリオにおいて、別の選択肢となる正統なパレスチナ人政府の創設に取り組んでいないことが主な理由だとしている。