未収集のごみ1万7000トン路上に放置、市が「重大事案」宣言 英バーミンガム
(CNN) 英国第2の都市バーミンガムでごみ収集作業員のストが続き、1万7000トンあまりのごみが回収されないまま道路わきに放置されている。市は事態を受けて「重大事案」を宣言。「こうした措置を余儀なくされたことは遺憾だが、バーミンガム中の住民が被害や迷惑を被っている状況は容認できない」と発表した。
ロイター通信が3月にバーミンガムで撮影した写真には、回収されないごみが回収ボックスやごみ箱からあふれ出した様子が写っている。
市と収集作業員の対立は昨年12月にさかのぼる。組合は作業員の超過勤務手当カットや時間外労働の禁止、ごみ収集作業員の一部削減などに反対して2025年にストを実施すると発表した。
市内でごみが増え続ける中、市は臨時職員を雇ってごみの収集に乗り出した。しかし組合側は決議を通じて繰り返しストをエスカレートさせ、組合員がピケを張って臨時職員による収集を妨害している。
市議会は31日、「日常的に集積場でピケを張られて住民からごみを収集する車両が出動できなくなった」と主張。重大事案を宣言することで、ピケを迂回(うかい)して道路の清掃ができるようになるとしている。
これについて作業員側は、市の重大事案宣言は「スト破り」にあたるとして反発を強めている。
英PAメディアによると、英国のジム・マクマーン・コミュニティー相は31日の議会演説でバーミンガムの問題について「政府は状況を注視している」と述べ、「要請があれば応える用意がある」と説明した。