幻の「任天堂プレイステーション」、3800万円で落札
ニューヨーク(CNN Business) 任天堂とソニーが製造したゲーム機の試作品で「任天堂プレイステーション」として知られる実機が競売にかけられ、36万ドル(約3800万円)で落札されたことがわかった。
落札したのは、ビデオゲームのコレクターで、「Pets.com」などを立ち上げたグレッグ・マクレモアさん。オキュラス創業者のパルマー・ラッキーさんら他の参加者との競り合いに勝利した。
マクレモアさんは、コインを入れて遊ぶアーケード機の「ポン」なども所有している。
今回競売にかけられた任天堂プレイステーションは現存している唯一の実機とみられている。ソニーと任天堂は1991年に提携を発表し、試作機200台が製造されたが、その後、提携は破棄された。両社の提携によって、CD―ROM対応のスーパーファミコンが誕生するはずだった。
今回の競売を行ったヘリテージ・オークションズによれば、残りの試作機199台は提携破棄後に壊されたと考えられているという。
ソニーは1994年に自社開発したゲーム機である初代プレイステーションを発売した。
今回落札された実機の最初の持ち主はソニー・コンピュータエンタテインメントの創業者で初代CEO(最高経営責任者)だったオラフ・オラフソンさん。オラフソンさんは1996年、ソニーを退社し、金融サービスのアドバンタに移った。アドバンタを1999年に辞める際に同機をオフィスに残していった。アドバンタが経営破綻(はたん)してオフィス用品などが競売にかけられた際、テリー・ディーボルドさんが同機を入手。ディーボルドさんと息子によって今回の競売につながった。