新型コロナワクチン、1年以内に再度の接種が必要になる見通し 米専門家
(CNN) 新型コロナウイルスワクチンについて、米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長ら専門家が、既に接種を済ませた人でも1年以内に再度の接種が必要になるかもしれないとの見解を示した。
ファウチ所長や米製薬大手ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)によると、接種を済ませた人でも2回目の接種を受けてから8~12カ月後に、効果を高めるためのブースター(追加免疫)ワクチンの接種が必要になる見通し。
ファウチ所長は「ワクチンの効果は少なくとも6カ月、恐らくはそれ以上続くことが分かっている。だがほぼ間違いなく、1回目の接種から約1年以内にブースターが必要になる」と指摘した。
米疾病対策センター(CDC)の19日の統計によると、米国では全人口の約47.9%が少なくとも1回の接種を受け、37.8%は接種を完了した。
ブーラ氏は、ファイザーのブースターワクチン臨床試験はまだ完了していないと述べ、「あと1~2カ月で、科学的にもっと高い確実性で発言できるだけのデータがそろうだろう」と説明した。
ファイザー製のワクチン接種が米国で始まったのは、5カ月前の昨年12月14日だった。
「8カ月前に2回目の接種を受けたのであれば、3回目の接種が必要になるかもしれない」とブーラ氏は述べ、ブースター接種は今年9月~10月ごろになるかもしれないと説明。ファイザーは米食品医薬品局(FDA)の判断を見極めるとした。
モデルナは既に、南アフリカやブラジルで発見されたような変異株に対抗するため、ブースターの開発に着手している。
ワクチンが普及しても、ウイルス株が急速に変異することや、ワクチンによる免疫効果が薄れることから、新型コロナウイルスもインフルエンザのように、毎年の接種が必要になるかもしれないと専門家は予想している。