東京五輪はコロナ阻止のあり方明示 医療顧問が評価
(CNN) 東京五輪開催に伴う新型コロナウイルス予防策を国際オリンピック委員会(IOC)などに助言する医療顧問は7日、今回の大会は新型コロナの感染拡大をいかに食い止められるかを世界に明示したと評価する考えを示した。
同顧問のブライアン・マクロスキー博士は東京での会見で、大会を安全に運営させる大会組織委員会らの努力は「大成功を収めた」と考えていると主張。
「パンデミック(感染症の世界的流行)を遠ざけることは可能であることを示した」とし、東京から世界の他国へ伝えられる非常に重要な教訓であると述べた。
その上で過去2週間で得られたデータは他の組織や政府も共有でき、東京で起きたことを学べると続けた。
同博士は英イングランドの公衆衛生庁の元幹部。IOCや東京五輪の大会組織委員会らに新型コロナ対策を助言する独立的な専門家パネルの委員長を務めている。
東京五輪はパンデミックの最中に開かれた大規模なスポーツ行事としては概ね順調に進んできた。ただ、東京での感染規模は悪化しており、新規の感染者数などが最多に達する状況ともなっている。医者らは医療態勢が崩壊する危機も警告している。
一方で、大会組織委員会、東京都の小池百合子知事や日本の菅義偉首相を含む政治指導者は感染者の増加は五輪に根差すとは判断していないとの見解を以前に表明。
これに対し医療専門家や公衆衛生の専門家は異論をはさんでいる。五輪の競技場外に集まった市民らの姿を踏まえ、五輪後に感染者が相応に増えることを懸念している。