米モデルナ、現行の半分の用量で追加接種の承認求める
(CNN) 米モデルナが米食品医薬品局(FDA)に対して、同社の新型コロナウイルスワクチンの追加接種を現行接種の半分の用量で承認するように求めていることが、12日のFDAの公表資料からわかった。
モデルナのワクチンは現在2回の接種が行われ、各回100マイクログラムが投与されている。
同社は追加接種について、その半量の50マイクログラムで申請。半分にすることで、世界各国へのワクチン供給を支援しつつも新型コロナへの保護を増強できると説明している。
FDAのワクチン・関連生物製剤諮問委員会(VRBPAC)は今週、モデルナとジョンソン・エンド・ジョンソンの各ワクチンの追加接種を検討する会合を開く。FDAは既にファイザー製ワクチンについて一部の成人を対象に追加接種の緊急使用許可(EUA)を認めている。
モデルナは追加接種の対象を65歳以上の人、18~64歳で新型コロナの重症化リスクの高い人、18~64歳で各人の環境や仕事でのコロナウイルスへの暴露から新型コロナの合併症や重症化のリスクがある人とし、2回目の接種から少なくとも6カ月経過後の接種を求めている。
モデルナやファイザーのワクチンは接種完了後数カ月後で抗体が減っていくことが示されているが、重症化や死亡に対しては強い防止効果を維持している。
それでもモデルナは、臨床データや実世界での証拠から、抗体を回復させ高める介入が「有益だ」と主張している。
FDAが12日に公表した分析では、追加接種者について、有症状の新型コロナウイルス感染症に対する有効性は評価されていない。FDAはファイザーの申請時と同様、EUAに対する立場を示さない。
モデルナやファイザーのmRNAワクチンは、特に若い男性の間で、心筋炎や心膜炎のまれな症例との関連が指摘されている。複数の研究はそうした症例は一般的に軽度だと位置付けている。
今回のFDAの分析では、承認前の臨床試験について、追加接種に対するまれな、潜在的に重度な副反応を完全に把握するには十分な規模ではない可能性があるとの考えが示されている。
同分析には「モデルナワクチンの追加接種後に心筋炎や心膜炎、その他の副反応の増大するリスクがあるかは現時点で分かっていない。こうしたリスクと、関連する不確実性は、便益とリスクを評価する際に考慮する必要がある」と記載されている。
安全性のデータによると、モデルナワクチンの追加接種では2回目の接種後に比べて、リンパ節の腫れの率が高くなったものの、その他に頻度や重症度が増した反応は示されなかった。