スカイニュース・オーストラリア、TikTokでのコンテンツ配信停止へ
豪ブリスベン(CNN) オーストラリアの放送局、スカイニュース・オーストラリアは10日、中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を通じたコンテンツの配信を打ち切ると発表した。安全保障上の懸念を理由に挙げた。同様の懸念からこれまで複数の西側諸国の政府が、当局者の端末でのTikTok使用を禁止している。
同日スカイニュース・オーストラリアのウェブサイトに公開された記事の中で、デジタルエディターを務めるジャック・ホートン氏は安全保障上のリスクに言及。「中国政府の支配下にあるプラットフォーム」がもたらすそうしたリスクは、「いかなる本格的なニュース発行者にとっても大きすぎる」との認識を示した。
「TikTokはソーシャルメディアプラットフォームのふりをしたスパイネットワークであり、ジャーナリストや一般市民、政治家らのデータを違法に盗んでいることが証明されている」(ホートン氏)
同氏はさらに、「我々は(メディア組織に対し) このジレンマについてよく考えるよう強く求める。安全保障や誠実さと引き替えに、わずかばかりの取るに足らない閲覧件数を求めるのは止めてもらいたい」と付け加えた。
CNNはこの件を巡り、TikTokに返答を求めている。
スカイニュース・オーストラリアは、メディア王ルパート・マードック氏が率いるニューズコープ傘下の企業で、英国の放送局スカイニュースとは別個の事業体。後者は米メディア大手コムキャストの1部門であるスカイグループが所有している。
昨年、TikTokの親会社バイトダンスは、従業員4人が英紙フィナンシャル・タイムズと米バズフィードに所属するジャーナリスト2人の個人データに不適切にアクセスしたと認めていた。
バイトダンスによると、当該の従業員らは情報漏洩(ろうえい)の可能性について調べていたという。これらの従業員はTikTokのユーザーデータにアクセスする権限を悪用したとして解雇された。