航空業界に増える別料金制 消費者の損得は?
ほとんどの格安航空会社では現在、預け荷物が1個目から有料となっている。1個の重量には制限があるが、グレイ氏によれば、航空会社の計量システムには多くの人が不信感を持っている。
これに対してハイムリッチ氏は「手荷物が有料でなければ、荷物を預かるためのコストは自動的にチケット代に加算されるだけだ」と反論。乗客によっては有料制がかえって節約になると話す。
また最近では、座席指定にも料金がかかる航空会社が増えている。「かつては無料サービスだった。一緒に座りたい家族連れなどにとっては不便になった」と批判するグレイ氏に対し、ハイムリッチ氏はここでも「乗客がサービスを選ぶこと」の意義を指摘する。
支払いにクレジットカードやデビットカードを使う時の手数料も、よく批判の的となる。英国では、公正取引庁がさきごろ、航空運賃はデビットカードの手数料込みで表示しなければならないとの判断を下した。
だが世界各地で、航空会社が6~8ドル台のクレジットカード手数料を取っている現状は変わらない。グレイ氏が「消費者は知らないうちに不当に高い金額を負担させられている」と主張するのに対し、ハイムリッチ氏は「料金の内訳はすべてウェブサイト上で公表されている」と透明性を強調している。