航空業界に増える別料金制 消費者の損得は?
(CNN) 予約手数料に手荷物、機内食――。航空業界では近年、基本運賃の上に乗客の希望に応じ、有料で各種サービスなどを追加する「別料金制」が目立つようになった。これによって消費者は損をするのか、それとも得をしているのだろうか。
米運輸統計局(BTS)によると、2011年に米航空業界に支払われた手荷物料金は総額33億ドル(約2600億円)余り、予約変更手数料は同23億8000万ドル。一見手ごろに見えた料金が、追加料金であっという間に膨れ上がってしまうケースも珍しくない。
「手荷物や座席指定のために請求される追加料金は、航空会社がそのサービスを提供するのにかかるコストをはるかに超えている」と批判するのは、英消費者誌ウイッチ・トラベルのクリス・グレイ副編集長だ。「こうした料金は、長い予約手続きの最後になって消費者にたたきつけられることが多い」と憤る。
一方、米航空業界団体、エアラインズ・フォー・アメリカのチーフエコノミスト、ジョン・ハイムリック氏は、航空会社が別料金制を採用するようになったのは、コストを抑えてより良いサービスを提供し、激しい競争に打ち勝つためだと主張する。
ひそかに料金を水増しして乗客をだまそうとしているわけではなく、どのサービスにお金を使うか、乗客自身で選べるようにするのが趣旨だと説明。「機内での食事や娯楽機器などを利用しない乗客まで料金を取られる一括料金制は、だれの利益にもならない」と、ハイムリッチ氏は語る。