10月の中国輸出、5月以降で最大の伸び 日中間は2.1%減
香港(CNN) 中国の国営新華社通信は10日、今年10月の輸出額が前年同月比で11.6%増と、今年5月以降では最大の伸び率を示したと報じた。これを受け同月の対外貿易黒字はさらに増えて320億米ドル(約2兆5280億円)となった。
輸入額は2.4%増で、今年9月の伸びと同じ水準だった。
今年10月までの10カ月間の貿易総額は6.3%増の3兆1600億ドルを記録。中国政府は今年の対外貿易の成長率の目標を10%に据えていた。9月は9.9%増だった。
新華社によると、陳徳銘・商務相は今月8日に開幕した第18回共産党大会に合わせて会見し、輸出の伸び率は9、10両月に若干回復したものの今年通年の目標数値の実現は極めて困難な情勢にあるとの見通しを示した。
世界規模での需要後退や事業経費の上昇、保護主義の高まりが背景にあるとしている。中国の昨年の貿易総額は22.5%増だった。
中国の最大の取引相手である欧州連合(EU)との貿易総額は1~10月期で3%減を記録。欧州諸国で長引く政府債務(借金)危機や財政緊縮策の広がりが影響した。領土の主権争いで関係が悪化する日本との貿易総額は2.1%減だった。
一方、米国や東南アジア諸国連合(ASEAN)、ロシア、ブラジルとの貿易は拡大し、EUや日本との貿易減少を埋め合わせる形となった。米国は中国の2番目の貿易相手国で、総額は9.1%増の3960億ドルだった。