米ICEがNY証券取引所を買収、デリバティブで存在感
ニューヨーク(CNNMoney) 米インターコンチネンタル取引所(ICE)は20日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)を運営するNYSEユーロネクストを82億ドル(約6900億円)で買収すると発表した。
ICEは、NYSEユーロネクスト株を1株当たり33.12ドルで買収する。これは前日の終値に38%上乗せした額となる。
米大手企業が軒並み上場し、220年の歴史を持つウォール街のシンボルNYSEに対し、世界の商品先物とデリバティブ(金融派生商品)取引を手がけるICEは12年前に創設されたばかり。しかし株取引が低迷する一方でデリバティブとオプション市場の存在感が増す中、ICEの時価総額はNYSEユーロネクストを上回っていた。
NYSEは2006年にユーロネクストとの合併を発表。この時は対等合併だったが、今回はNYSEがICEの傘下に入る。統合後はニューヨークとアトランタに本社を置く予定だが、電子取引の普及に伴い、世界金融の中心地としてのウォール街の存在感は薄れ続けている。
ICEは、ユーロネクストの新規株式公開(IPO)を通じて欧州業務の多くを分社化する意向。ただし世界有数のデリバティブ取引所であるNYSEロンドン国際金融先物取引所(LIFFE)の分社化は実施しない。
統合後の最高経営責任者(CEO)兼会長にはICEのジェフリー・スプレッチャー氏が留任し、NYSEユーロネクストのダンカン・ニーダーアウアーCEOは社長に就任する。