米デル、株式を非公開化 マイクロソフトも融資
ニューヨーク(CNNMoney) 米コンピューター大手のデルは5日、創業者のマイケル・デル氏などが全株式を総額244億ドル(約2兆3000億円)で買い取り、非公開化する計画を発表した。非公開化によって株主に左右されることなく事業の再編を進める方針とみられる。
買収には米投資ファンドのシルバーレイク・パートナーズが参加するほか、米マイクロソフトが20億ドルを融資する。1株当たりの買収金額は13.65ドル。これは前日の終値に少額を上乗せした価格だが、デル身売りのうわさが表面化した1月中旬の株価に比べると、25%高い。非公開化を実現するためには株主の承認を得る必要がある。
デルはパソコン(PC)市場の競争が激化する中で業績が低迷し、2012年の1年間で時価総額が大幅に下落。「ポストPC」への対応で米アップルや韓国のサムスン電子に出遅れた。
非公開化により、株主の意向を気にせずにリストラと事業再編を進めたい考え。一方で、再編の助けになる大型買収の資金は調達しにくくなる。
デル氏はこの計画について、「デルと顧客、関係者にとってエキサイティングな新しい章が開けると確信している」との談話を発表した。
マイクロソフトからの融資について、調査会社ヤンキー・グループのアナリスト、カール・ハウ氏は「非公開化のポイントは、短期的な業績を気にすることなく長期的な目標に取り組める点にある。マイクロソフトという外部の投資家を巻き込んだことで、状況は複雑になる。デル単独で実施した方が、未来は確実だったと思う」との見方を示した。