ソフトバンクの米スプリント買収、中国製品排除の条件付与か
香港(CNNMoney) 日本の携帯電話3位のソフトバンクによる米携帯電話大手スプリントの買収問題で、両社は31日までに米連邦議会に対し中国の通信機器企業「華為技術(ファーウェイ)」の製品を使用しないとの保証を与えた。
米下院情報委員会のマイク・ロジャース委員長が明らかにした。買収交渉に伴って両社関係者と会い、スプリントのネットワーク利用に当たっては華為技術の機器を使わない確約を得たとしている。
スプリントは昨年末、米通信サービス企業クリアワイヤの買収を発表していたが、クリアワイヤは自社のネットワークで華為技術の製品を一部使用している。ロジャース委員長によると、ソフトバンクとスプリントは華為技術の機器を他社の機種に変更してクリアワイヤのネットワークを使うとの方針も示したという。
ソフトバンクはスプリントの株式70%を総額200億ドル(約1兆8800億円)で買収する交渉を進めている。ただ、米国の企業買収関連の当局は安全保障問題などと絡め中国企業の製品利用に懸念を示していた。
米下院情報委は昨年10月、華為技術による知的財産権の違反行為や対イラン関係への疑惑、米国内における不法とも判断されかねないビジネス活動などを批判する報告書を発表。同社との関わりに起因するリスクや米国の重要な通信インフラ基盤での同社機器の利用は国家安全保障を損なう可能性があると指摘していた。
華為技術はこの報告書の主張には根拠がないと反論していた。同社の代理人は29日段階で、ソフトバンクとスプリントが華為技術製品を締め出すとの報道についてコメントを発表していない。
ソフトバンクによるスプリント買収には米政府機関である外国投資委員会の承認が必要。同委は国家安全保障上の観点から国内への投資活動を監視している。ロジャース委員長は同委による買収承認手続きに臨む両社は華為技術製品を採用しない保証を同様に示すだろうとも語った。