今年の米大卒者の就職戦線は「過酷」、多くは「下級職」か

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ニューヨーク(CNNMoney) 米シンクタンクの経済政策研究所は10日、今年の大学卒業生の就職戦線は極めて厳しく、勤務先を見つけても多くが下級職に甘んじる可能性があるとの報告書を発表した。

2007年12月から始まった深刻な景気停滞や米政府の不十分な経済対策のしわ寄せを受けたものとなっている。米国の就職市場は過去数年、改善の兆しがあるがその歩みは極めて遅い。失業率や不完全雇用者の比率は景気低迷前と比べれば依然高い水準にある。

米労働省の統計によると、最近大学を卒業した21~24歳層の失業率は昨年の平均で8.8%。しかし、経済的理由でパートタイム職に就く者や求職活動を断念した者を含めた不完全雇用者の比率は18.3%に達した。

経済政策研究所によると、求職で最悪の時期に卒業し勤め口を探す大卒者にとっては生涯の収入総額で差が出る可能性がある。常勤で働く若い卒業生の収入額は現在、2000年時と比べ年間3200ドル(約32万円)安い。昨年の平均的な時給額は16.60ドルで、2000年の18.14ドルからは減少した。

また、職を確保した大学卒業生は進学の価値はあったのかと自問自答するかもしれない。米ノースイースタン大学の経済学教授によると、就職した25歳以下の大学卒業生のうちの52%は2012年時点で、大学学位を必要としない職種に就いていた。この比率は、07年は47%、2000年は40%だった。

ただ、経済政策研究所は、最近の大学卒業生の就職難は適切な教育や技術習得の欠如より、製造品やサービス産業での需要減が原因と分析している。

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