ネット販売に売上税を課す米法案、業者は「負担増」を懸念
ニューヨーク(CNNMoney) 米上院でインターネット販売に売上税を課す法案が可決されたことに対し、ネット販売業者からは負担の増大を懸念する声が強まっている。
法案は6日に上院を通過したが、下院での審議は難航が予想される。
米国では、日本の消費税に似た売上税が連邦レベルではなく、州ごとに定められている。インターネット販売ではこれまで、業者が拠点を置く州以外の顧客に販売した場合、売上税がかかっていなかった。これでは実店舗が不利になるとの考えに基づき、「市場公正法案」が審議されている。
同法案は、州外での売り上げが100万ドル(約9880万円)を超えるネット販売業者に対し、各州政府に売上税を納めることを義務付ける内容。ネット通販大手アマゾンの調査によると、対象となる業者は約7500社に上る。
業者は顧客の住む州に合わせて売上税を徴収し、これを四半期ごとにまとめてそれぞれの州へ送金するといった処理が必要になる。中小規模の業者では、システムの修正や手続きの外注費、追加の人件費などが経営を圧迫する心配も出てくる。
ペンシルベニア州ピッツバーグ郊外のネットショップ経営者は、法案が成立すれば「悪夢」が待っていると懸念を示し、「すべての州の売上税を間違いなく集めるのはとても無理。そんなことができる可能性は0%だ」と話している。