日本、トルコ北部での原発新設に協力 両国首脳が調印
(CNN) トルコのアナトリア通信によると、同国政府と日本は3日、トルコが北部シノップ県で計画する原子力発電所建設に日本が協力することで合意した。
トルコを訪れていた日本の安倍晋三首相とトルコのエルドアン首相が合意文書に調印した。建設費は220億米ドル(約2兆1780億円)。
2011年の東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故で後退した日本の原子力産業の再構築へ向けた第1歩との見方がある。黒海沿岸のシノップ県での原発建設計画では、日本とフランスの合弁企業が受注を目指していた。この合弁企業によると、建設される原子炉は第3世代型のATMEA1。
両首脳は合同記者会見で、今回の合意を受け両国関係は新たな次元に踏み出すことになると表明した。10年足らずで建設を終了させるとの見通しを示した。
アナトリア通信によると、エルドアン首相は、福島第一原発事故で教訓が得られたと指摘。同事故後に生まれた日本の技術への不信感に対しては航空墜落事故に例えながら、「事故が起きるリスクは踏まえるべきだ」と主張。
その上で、「我々は原子力技術を必要としている。(福島第一原発事故後に用意された)最新の技術をもって、より改善された事故防止措置を講じる」と述べた。
アナトリア通信はまた、両国がトルコ国内にトルコ・日本技術大学を創設することで合意したとも報じた。将来的には日本国内にも同様の大学を発足させる予定。エルドアン首相は、両国におけるこの種の措置は極めて重要と強調した。