イタリア客船座礁で5人に有罪判決
ローマ(CNN) イタリア沖で昨年1月に起きた客船コスタ・コンコルディアの座礁事故で、現地の裁判所は20日、過失致死罪などに問われた責任者らに対し、禁錮1年半から2年10カ月の有罪判決を下した。
事故では乗員、乗客4200人のうち32人が死亡し、150人が負傷。このうち65人は手足のまひや切断、視力喪失などの重傷を負った。乗客が避難する前に船を離れたとして過失致死罪などに問われている元船長、フランチェスコ・スケッティーノ被告の公判は先週から始まり、1年以上かかる見通しだ。
20日の判決では、事故当時に元船長と連絡を取っていた運航会社の緊急対策責任者に2年10カ月、船の支配人に2年6カ月の禁錮刑が言い渡された。また航海士ら3人に1年6カ月から1年11カ月の刑が科されたが、同国では2年以下の刑の場合、実際には収監を免れる。
5人はいずれも罪を認めて司法取引を求め、同日朝に取引が成立していた。
司法取引に反対していた弁護士らは判決を不服とし、最高裁での審理を求めている。
元船長も司法取引を求めているが、検察が強硬に反対。裁判所は次回公判が予定される9月23日までに、これを認めるかどうかについて判断を下すとみられる。元船長に対しては多数の民事訴訟も起きていて、法廷闘争は長期化が予想される。
事故現場では現在も船体の撤去作業が続けられている。運航会社は今年9月に船体を立て直したうえで、陸地まで移動する作業を予定している。