デトロイト市、総工費440億円以上のホッケー場建設へ
ニューヨーク(CNNMoney) 今月18日に破産法の適用を申請し、財政破綻(はたん)した米中西部ミシガン州デトロイト市で、地元の北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)チーム、デトロイト・レッドウィングスの新たなホームスタジアムの建設に4億4400万ドル(約440億円)もの公的資金を投じる計画に対し、批判が集まっている。
賛成派は、スタジアムの建設はデトロイトに人や民間投資を呼び込むために必要な経済開発計画と主張。ミシガン州のスナイダー知事や、知事が指名したケビン・オー非常時管理責任者も同じ考えで、オー氏は計画を予定通り進める意向を示している。
一方、反対派は、この計画に莫大なコストを正当化できるほどの経済効果はないと反論する。ミシガン州のグレッチェン・ホイットマー上院議員(民主党)は「試合観戦のための訪問ではなく、定住してもらいたかったら、学校を建設し、警官を増員すべきだ」と語る。
この計画が州議会で可決されたのは昨年12月のことだ。ホイットマー議員は、悪化するデトロイト市の財政を考慮し計画を見直すべきだと主張する。
しかし、スポーツチームの経済効果が専門のミシガン大学のマーク・ローセントラウブ教授は、同スタジアムの建設は、向こう30年間にデトロイトに総額10億ドル(約1000億円)の直接投資を呼び込むと予測する。
同教授によると、スタジアム建設計画の多くは、すでに多くのスタジアムが存在したり、場所が悪いなどの理由で地元への経済効果はほとんどないが、デトロイト市の場合、アメリカンフットボールのスタジアムや野球場の近くにホッケースタジアムを建設すれば、レストランやバーなどの娯楽施設への大きな民間投資が期待できるという。