独首相、ギリシャのユーロ加盟は間違い 総選挙控え
ロンドン(CNNMoney) ドイツのメルケル首相は29日までに、巨額の債務危機にもがくギリシャは欧州の単一通貨ユーロ圏への加盟を認められるべきではなかったとの見解を示した。
ドイツでは来月総選挙が予定されており、ギリシャ加盟を許したドイツの野党・社会民主党のシュレーダー前首相の責任を前面に出す選挙戦術ともなっている。
メルケル氏はこの中で、ギリシャの財政破綻(はたん)に端を発するユーロ危機は、同通貨発足時に犯した過ちなどが長年続いてきたことの結果と主張。シュレーダー氏は「ギリシャを受け入れ、通貨安定の取り決めを弱体化させた」とし、「我々が現在直面する事態の原因を作った」と断じた。
ギリシャは2001年のユーロ導入後、公共支出や政府の借り入れが増え、今日の債務危機を招いたとされる。09年以降に深刻な財政破綻が表面化し、ユーロ崩壊を危惧する欧州連合(EU)や欧州中央銀行、国際通貨基金が緊縮政策の実施を条件に財政援助に踏み切っていた。
ドイツはこの支援で中心的役割を果たしているが、ギリシャ内では緊縮政策を突き付ける張本人としてメルケル首相が敵視されている。ただ、ドイツ内では放漫財政などを放置してきたギリシャへの資金援助への反発が根強く、緊縮策を要求するメルケル氏の評価は高い。選挙前での世論調査結果でも同氏3選の可能性が高い。