仏大統領、「ユーロ圏経済政府」の創設を呼びかけ
ロンドン(CNNMoney) フランスのオランド大統領は16日、ユーロ圏17カ国で共通の「ユーロ圏経済政府」を創設すべきだと主張した。専任大統領を兼ね備え、加盟国は月1回の会合を持つという案。
オランド大統領は記者会見で、「この経済政府は、各国政府の主要な政治的・経済的決断について話し合うとともに、社会政策の上からの一致や脱税との戦いに取り組むことになる」と述べ、共通予算や公債発行機関の設置など、ユーロ圏諸国のさらなる財政統合を呼びかけた。
オランド大統領は1年前、緊縮政策よりも経済成長を優先すべきだと訴えて当選した。だが、仏経済の不振が続くなか、大統領の支持率は低迷している。
15日に発表された経済統計では、今年1~3月期のフランスの国内総生産(GDP)は前期比でマイナス0.2%となり、リセッション(景気後退)入りしたことが明らかになっている。
債務危機からの出口を探るユーロ圏諸国は、これまでも予算政策における緊密な協力を図ってきた。また、ユーロ圏は銀行監督の権限を2014年から欧州中央銀行(ECB)に移すことで同意している。
ただし、さらなる統合を求める今回のフランスの提案が受け入れられる可能性は、少なくとも近い将来は少ないとみられる。
銀行同盟の実現に向けた次の一歩についても、ユーロ圏諸国の足並みはそろっていない。また、9月に総選挙を控えたドイツは新たな大型提案への対応を嫌がるとみられる。ドイツはユーロ圏共同債の発行にも反対している。