中国現代絵画にアジア最高の22億円、村上隆氏の記録抜く
(CNN) 中国人画家、曾梵志氏の油彩画「最後の晩餐」が香港で開かれたサザビーズのオークションに出品され、アジアの現代アートとしては過去最高額の2330万ドル(約22億6000万円)で落札された。
アジアの現代アート作品の落札価格は、米ニューヨークで開かれた2008年のオークションで村上隆氏の彫刻作品に付いた1500万ドルがこれまでの最高だった。
5日のオークションは900万ドルから始まって電話入札で値段がつり上がり、15分後に個人収集家が2330万ドルで落札した。
最後の晩餐は2001年の作品で、幅4メートル。イタリアの巨匠ダビンチの作品をモチーフとして、キリストと12使徒を赤いネクタイを締めた共産主義の若者に置き換え、裏切者のユダに当たる人物のみ西洋風の黄色いネクタイを着けて中国の資本主義化を象徴させている。
サザビーズで現代アジア芸術を担当するエブリン・リン氏は同作品について「中国社会の転換期を描いた作品」と解説。落札価格については、2012年に減速した中国アート市場が「非常に健全」な状態にある証しだと指摘している。
同作品はスイスの収集家が北京のギャラリーで2002年に購入し、今回のオークションに出品した。