お客をつかむには胃袋から――高級機内食はこうして作られる
こうした柔軟な対応を可能にしているのは、厳密な工程管理だ。
毎朝の食材の受け取りから、夕方のフライトに向けたトローリーでの仕出し、配膳に至るまで、プロセスの各段階をすべて追跡できるようになっている。なにか支障が起きたり、食事への不満が出た場合に、どのプロセスが問題だったのかを確認するためだ。もちろん安全衛生管理については、24時間体制で常時徹底されている。
ゲート・グルメの施設は空港敷地の端に位置しており、南側の滑走路からわずか数百ヤード離れているにすぎない。ほとんど航空機版ドライブスルーのような様相だ。
エンジン音がとどろくなか、インド部門、中東部門、中国部門の各厨房(ちゅうぼう)では、計17の国際航空会社に向けて、それぞれ異なった機内食を製造している。
蒸しホタテ貝からマカロニのデザートに至るまで、ほとんどの料理は手作りであり、航空会社の特別な注文にあわせて作られている。