お客をつかむには胃袋から――高級機内食はこうして作られる
香港(CNN) 長い不況にあえぎコストカットが続く航空業界にあっても、ファーストクラスの乗客に提供される機内食の質は高い水準を維持したままだ。サービス競争が激化するなか、高級機内食の質は各社の命運を占うバロメーターになっている。
そんな機内食の調理から盛り付けまでを一手に手掛けるのは、専門のケータリング会社だ。
ゲート・グルメ社は、香港国際空港においてサービスを展開するケータリング会社3社のうちの1社。空港を離陸する航空機向けに、毎日1万5000食を提供する。
同社香港法人のゼネラルマネジャーを務めるアンドレアス・ウェーバー氏は「今日では航空各社はファーストクラス、ビジネスクラス向けの商品に多額の投資をしている。大型シートで快適な旅を提供するといったサービスは、既にどこでもやっていること。残されているのは、ケータリングだ」と話す。
ゲート・グルメ社では、航空会社と乗客、両者のリクエストに迅速に対処すべく、万全の態勢を整えている。乗客の気まぐれな注文を受け、離陸数時間前にとっさの対応を迫られることも少なくない。製造部門の責任者であるエーリヒ・シーファー氏は「お客様はつねに正しい。注文された以上は作らなければならない」と言う。