企業経営者の報酬制限案、国民投票で否決 スイス
ロンドン(CNNMoney) 企業経営者の報酬の上限を、その会社で最も賃金の低い従業員の12倍と定める提案の是非を問う国民投票が24日にスイスで実施され、反対多数で否決された。
国民投票では、経営者の報酬に上限を設ければ景気や企業の業績に悪影響が出かねないとの懸念から、65.3%が反対票を投じた。
この提案は「1:12イニシアチブ」と呼ばれ、企業経営者の1カ月の収入が、最も賃金の低い従業員の1年分の収入を超えることがあってはならないという考えに基づく。支持者が10万人の署名を集めて国民投票を実現させた。
もし可決されていれば、UBSやクレディスイス、ノバルティスといったスイスの大手企業に影響が出る可能性があった。このため企業が国外への移転を余儀なくされ、雇用が失われる恐れもあるとして、政財界が反対票を投じるよう呼びかけていた。
スイスでは富裕層と貧困層の所得格差が広がる中、企業トップの高額報酬に対する怒りの声が高まっていた。