株主価値の最大化が「最も愚かな考え」である理由
例えば、取締役会に社員、顧客、コミュニティの代表など、株主から選出された者以外を参加させてもいいかもしれない。また業績だけでなく、顧客満足や社会的・環境的利益など、他の重要な要素に関する取り組みを企業が株主に報告するように義務化する方法もあるだろう。
企業幹部らはさまざまな側面から評価され、動機付けされるべきであり、株主価値はその1つにすぎない。また企業自体も、株価のみが重視される文化と縁を切る努力を積極的に行う必要がある。
顧客、サプライヤー、コミュニティ、社員への影響など、さまざまな議題が等しく議論される必要があり、短期的に株主価値を上げるための有害な行動は禁止されるべきだ。
これらの手段を実行すれば、計画をさまざまな基準に照らしてじっくり検討してから実行する環境が創出されるだろう。
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本記事は英ロンドンのキャスビジネススクールで組織行動学を研究するアンドレ・スパイサー教授によるものです。記事における意見や見解はすべてスパイサー氏個人のものです。