中国経済につきまとう不動産バブルの影
香港(CNNMoney) 中国における不動産バブル崩壊の危機が再び注目を集めつつあるようだ。中国の国内総生産(GDP)のうち、不動産セクターが占める割合は約16%に達することから、世界経済への悪影響も懸念されている。
エコノミストらに対する調査では、中国経済の懸念材料として、不動産バブルの崩壊が2番目に多く指摘された。1番目は、シャドーバンキング(影の銀行)問題だった。
これ自体は新しい話ではないが、最近になって中国の中小都市の不動産市場がかかえるリスクについてのリポートが相次いで発表されている。中小の都市では不動産業者が大幅な値引きをして売り急いでいるとされる。野村インターナショナルによれば、すべての住宅販売のうち中小の都市が占める割合は約70%に達する。
一部の大都市でも不動産販売が減速しているとの指摘もある。
だが不動産市場のリスクを測るには、中国政府の統計だけでは不十分だ。不動産価格は大都市のものしか公表されていないし、個人所有の住宅に関する統計もない。
野村インターナショナルのアナリストは「不動産セクターにおける過剰投資はマクロ経済のリスクの筆頭に挙げられる。不動産セクターは中国経済の要となっており、これが減速すればシステミックリスクが高まるからだ」と指摘している。
もっとも、リーマン・ショック前の米国と違い、中国では住宅ローンの証券化は進んでいない。もしバブルが崩壊しても、影響は米国のサブプライムローン危機ほど拡大しない可能性もある。