アイカーン氏、イーベイと和解 ペイパル分離案を撤回
ニューヨーク(CNNMoney) 「物言う株主」として知られるカール・アイカーン氏が電子商取引大手のイーベイに対し、同社の電子決済部門ペイパルの分社化を求めていた問題で、同氏は提案を取り下げることで同意した。
アイカーン氏は来月のイーベイの株主総会でペイパル分社化を提案する意向だったが取りやめた。だが同氏はペイパル分割をあきらめたわけではない。
「近い将来のいずれかの時点でペイパルを手放すことはイーベイの利益につながるとの私の考えに変わりはない。そしてイーベイとの非公開の話し合いを通してこの主張を続けていくつもりだ」と、アイカーン氏は声明で述べた。
アイカーン氏はまた、自らの推薦する人物2人をイーベイの取締役に就任させるよう要求をしていたが、これも取り下げた。その代わり、イーベイは米通信最大手AT&Tで最高経営責任者(CEO)を務め、SBCコミュニケーションとの合併を推進したデービッド・ドーマン氏の取締役就任を受け入れた。ドーマン氏はまた、通信機器大手モトローラが分社化した時の会長でもある。
ただしドーマン氏は「ペイパルとイーベイがともに成長できるよう力になりたい」とし、今のところ分社化に積極的な姿勢は示していない。
イーベイのジョン・ドナヒューCEOはCNNの取材に対し、「株主から見ても明らかに双方にとって得な」合意が得られたと述べた。また、ペイパルを完全に傘下に置くことがイーベイにとって最良の道だとの考えを示した。
アイカーン氏が大手ハイテク企業との戦いで思うような結果を得られなかったのは今年に入って2度目。同氏はアップルに対して自社株買いを求める株主提案をしていたが2月に撤回した。