米欧航空各社、テルアビブ便の運航を停止
(CNN) イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの衝突激化を受け、米連邦航空局(FAA)は22日、米航空各社にイスラエルの主要都市テルアビブの発着便の運航を停止するよう勧告した。欧州航空安全局(EASA)も同日、離着陸を控えることを強く勧めるとの警告を発した。
同日朝、テルアビブのベングリオン国際空港から約1.6キロの地点にロケット弾が着弾したことを受けた措置だという。FAAが特定の空港への飛行を禁止するのは極めて異例とされる。
米国のデルタ航空やアメリカン航空はFAAの勧告に先立ち、同空港へ向かう便の運航を中止していた。
専門家によると、各社の決断の背景には、ウクライナ東部で先週起きたマレーシア機撃墜の影響があるとみられる。
これに対し、イスラエル空港局(IAA)はCNNとのインタビューで「空港は安全だ」と強調。運航停止はテロリストを利することになるとして、再考を求めた。
一方、EASAも同日、「ベングリオン空港での離着陸は控えることを強く勧める」との警告を発した。ドイツのルフトハンザやオランダのKLMなど、一部の航空会社は同日朝からテルアビブ行きの便をキャンセルしている。
現地のCNN記者によると、ベングリオン空港はFAAの勧告後も運航業務を続けた。同記者は、空港近くでロケット弾が迎撃されるのが見えたと伝えている。
ベングリオン空港は世界からイスラエルを訪れる旅行者の玄関口として知られ、安全対策は万全とされてきた。ガザ情勢の悪化を受け、同国の観光業界は大きな打撃を受けている。