中国の産業スパイ、その長い歴史
香港(CNNMoney) 米司法省は5月、米国企業にハッキングし企業秘密を盗み出したとして、中国軍当局者5人を起訴したが、これに対して、中国政府は「根拠のない言いがかりであり、隠された意図がある」と反発。サイバー攻撃を巡って両国の間で緊張が高まっている。
もっとも、事情に通じた関係者にとっては意外な事態ではない。中国は長年にわたり、世界で最も活発な産業スパイ活動を展開してきた国の1つだからだ。
米情報セキュリティー企業マンディアントの創業者ケビン・マンディア氏は、中国のスパイ活動が広範囲にわたっている点を指摘。「起訴対象となっているのは、知的財産の奪取だ。これは企業秘密の盗難であり、経済スパイ行為だ」と警鐘を鳴らす。
歴史を振り返ると、中国の産業スパイ行為の端緒の一つとなったのは、故トウ小平氏らによって進められてきた近代化政策だ。研究開発に本来必要な時間をかけることなく、技術習得を加速させようとしたのである。
こうしたスパイ行為の対象となる産業は多岐にわたる。今回の起訴では、太陽光パネルの製造業者、鉄・アルミニウム製造業者、原子力発電所の設計会社が近年、新たに狙われていることが明らかになった。