北朝鮮が拉致調査委を設置 政府、制裁の一部解除
東京(CNN) 政府は4日、日本人拉致被害者らを調査する北朝鮮の特別調査委員会の設置を受け、北朝鮮に対して独自に科してきた制裁の一部解除を決定した。
解除されるのは人的往来の規制や人道目的の北朝鮮籍船の入港禁止、支払いの届け出義務といった制裁措置。国連安全保障理事会の決議に基づく制裁措置については解除しない。
人的往来では、北朝鮮籍を持つ人の入国禁止や日本から北朝鮮への渡航自粛要請を取り消す。北朝鮮への支払いでは、届け出義務の下限額を現金持ち出しで現行の10万円超から100万円超に、送金では現行の300万円超から3000万円超に緩和する。
北朝鮮の朝鮮中央通信は同日、北朝鮮が特別調査委員会を設置したと伝えた。委員会は30人で構成され、同国に居住する全ての日本人を対象に調査を行う。拉致被害者、行方不明者、遺骨問題について異なる分科会を設置するとしている。
米政府は拉致問題解決に向けた日本政府の動きに支持を表明。韓国は「人道的な見地から早期に拉致問題が解決されることを期待する」とする一方、北朝鮮の核やミサイルの問題を巡る同国への圧力を損なうことがないようにすべきだと釘を刺した。