ウクライナとロシア、ガス取引で合意 支払い条件決着
ロンドン(CNNMoney) ウクライナ、ロシア両国政府は1日までに、ロシアがウクライナに対し来年3月末までに総額約46億米ドル(約5152億円)相当の天然ガスを供給するとの合意文書に署名した。
両国関係はロシアによるクリミア半島併合やウクライナ東部の騒乱などを受け険悪化。ガス供給では価格や代金の未払い分返済をめぐって対立し、ロシアは今年夏からウクライナへの輸出を打ち切っていた。
新たな合意文書によると、ウクライナは未払い代金のうち額が多い分などを返済する。また、今冬の供給分については毎月、前払いとすることに合意した。未払い代金の支払いについては国際通貨基金(IMF)がウクライナに約束した最大180億ドルの資金援助を活用するとみられる。
今回の交渉を仲介した欧州連合(EU)のエッティンガー欧州委員は合意について、ウクライナは真冬に十分な暖房を確保出来たことになると指摘。また、ロシアとの緊張関係の緩和にも寄与すると述べた。
合意成立は、ウクライナ内のパイプラインを通じてロシアのガスを輸入する欧州諸国にとっても朗報となっている。欧州のガス輸入のうち3割以上はロシアに頼っており、うち半分はウクライナ経由となっている。
ガス供給問題は過去にもウクライナ、ロシア両国間の摩擦材料になっており、輸出が削減されたこともある。ウクライナはこれに対抗し、欧州向け分を抜き取り、自国用に転用したこともある。