エアバッグ問題で公聴会、タカタが謝罪 米上院
ニューヨーク(CNNMoney) 日本の自動車部品メーカーのタカタの製造したエアバッグの不具合をめぐり、米議会上院は20日、公聴会を開いた。
公聴会にはタカタと、同社製エアバッグを採用している自動車メーカーのホンダ、フィアット・クライスラーの幹部が出席したほか、エアバッグ事故の被害者も証言した。タカタの清水博シニアバイスプレジデントは被害者らに「大変申し訳ない」と陳謝した。
この不具合は、運転席のエアバッグが膨らむ際に金属片が飛散し、乗っている人が負傷したり死亡したというもの。警察が銃やナイフで襲われたのかと勘違いするような傷を負っていた例も報告されている。
裁判記録や警察の資料によれば、米国内でこれまでに4人の死者が出ており、消費者団体の自動車安全センター(CAS)によれば重傷を負った人は9人に上るという。
高速道路交通安全局(NHTSA)はすでに、問題のエアバッグを搭載した乗用車800万台のリコール(回収・無償修理)を指示している。自動車メーカーは10社に及ぶが、うち500万台がホンダ製だ。
公聴会にはエアバッグのせいで重傷を負ったステファニー・アードマンさんも証言した。
エアバッグが作動する際に飛んできた金属片がアードマンさんの右目を負傷し、鼻の右側の骨も折れた。視力は元には戻らないという。
「すぐに右側が見えなくなった」とアードマンさんは言った。「吹き出した血が首を流れるのを感じてぞっとした。私の視力は二度と元には戻らない」
事故そのものは軽いものだったため、同乗者はかすり傷程度で済んだという。「本来ならばこんなにショッキングで恐ろしいけがを負うはずはなかった」とアードマンさんは述べた。