風刺か侮辱か シャルリー紙最新号の表紙にイスラム預言者
シャルリーの最新号を担当したコラムニストは英BBCとのインタビューで、スタッフが表現したいのは同僚を殺害したテロリストへの憎悪ではないと強調。「事件後に国内で起きた運動は、許しに通じるものでなければならない」と語った。
ただ、ムハンマドの新たな肖像がイスラム教徒をさらに怒らせたり傷つけたりする事態も予想されることから、各地のイスラム教指導者は信者らに「忍耐」や「寛容」を呼び掛けている。
一方、米国のイスラム教指導者、ヤシル・カディ師は、表紙の絵柄に悪意がないのは確かだとしたうえで、同紙や欧米社会が風刺対象を選ぶ際の判断には「二重基準」が存在するように見えるとも批判した。
米デューク大学でイスラム学研究を率いるオミド・サフィ教授も、シャルリー紙が風刺する相手を間違えているとの立場を示す。教授は「風刺には本来、権力への批判という目的がある」と指摘。同紙は国家などによる暴力を取り上げていないという点に問題がある、と主張した。
最新号は多数の言語に訳され、世界各地で計300万部が発行される見通しだ。