風刺か侮辱か シャルリー紙最新号の表紙にイスラム預言者
(CNN) 仏週刊紙「シャルリー・エブド」がイスラム教の預言者ムハンマドを描いた次号の表紙を公開したことに対し、国内外の専門家やイスラム教徒の間で賛否両論が巻き起こっている。
シャルリー紙は風刺画家ら12人が犠牲となった銃撃事件後、初めて発行する最新号の表紙を12日に公開。同紙への連帯の象徴となった「私はシャルリー」の標語をムハンマドに持たせ、「すべては許される」との見出しをつけた。
ムハンマドのほおには涙が流れている。14日の発売を前に仏紙リベラシオンなどが絵柄を掲載し、これがインターネットのソーシャルメディアなどで広がった。
イスラム教ではもともと偶像崇拝が禁止され、ムハンマドの肖像を描くこと自体がタブー視されている。しかし同紙は、これまでもムハンマドを皮肉るような風刺画を繰り返し掲載してきた。
最新号の表紙について、米ホフストラ大学でイスラム思想を研究するフセイン・ラシド教授は「私の第一印象としては、事件に対するほぼ完璧な反応」と一定の評価を示した。「言論の自由を行使してムハンマドの肖像を描くという行動は譲らず、同時に融和的で謙虚なメッセージを伝えている。フランスのイスラム社会に向かっている怒りを鎮める効果がありそうだ」という。