財政危機のプエルトリコが初のデフォルト
ニューヨーク(CNNMoney) 財政危機に直面している米自治領プエルトリコが3日までに期限を迎えた債務の一部を返済できず、初めて債務不履行(デフォルト)に陥った。
3日までに返済期限を迎えていた債務は総額4億8300万ドル(約600億円)。このうち政府系パブリック・ファイナンス・コープ(PFC)の債券について、支払額5800万ドルに対し62万8000ドルしか返済することができなかった。
米ヘッジファンドなどを債権者とする債務は、訴訟などの事態を避けるため優先的に返済したとみられる。
プエルトリコの債務残高は総額約700億ドル。債務の規模はニューヨーク州に相当するが、経済規模ははるかに小さい。失業率は米本土の2倍を越え、職を求めて本土へ移住する人が後を絶たない。人口の流出で税収が減少し、債務は膨らむ一方だ。
アレハンドロ・ガルシア知事は、現状を「死のスパイラル」と呼んで強い危機感を表明。今夏中に債務再編計画などを立案するためのプロジェクトチームを任命した。
苦境に追い打ちをかけるように干ばつが起き、政府は給水制限を実施している。