世界に広がる「バナナ危機」、新型の伝染病で生産体制崩壊
台湾ではキャベンディッシュの変異種が何種類も開発され、フィリピンや中国で試験が行われている。ベルギーの専門家インゲ・ファンデンベルク氏はこうした新種について「極めて有望」だとしながらも、味が必ずしも良くなかったり、長距離輸送に向かないものもあると説明した。
中南米は今のところ影響を免れており、欧米でバナナが値上がりする事態にはなっていない。
しかし今後パナマ病が中南米に広がれば、北米や欧州に輸出されるバナナの種類や値段が変わる可能性はあるとファンデンベルク氏は言う。
最大の危険にさらされるのは途上国だ。パナマ病は最高で40年も土壌の中に残る可能性があり、巨額の資金と何十億トンものバナナが危険にさらされかねない。新種のバナナの栽培には多額のコストがかかる。
FAOの植物病理学者は、「萎凋病が広がれば、生産者や流通業者、バナナ業界に依存する世帯に重大な影響を与えかねない」と警鐘を鳴らした。