フィアット・クライスラー、排ガス不正の疑い 米当局発表
ニューヨーク(CNNMoney) 米環境保護局(EPA)とカリフォルニア大気資源委員会(CARB)は、自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)のディーゼル車やトラック10万台に、排ガス検査をごまかすソフトウェアが搭載されていたと発表した。
排ガス規制を巡ってはフォルクスワーゲンも昨年、同じような問題を指摘されて和解金43億ドルの支払いに同意。米司法省は11日、フォルクスワーゲンの幹部6人を起訴していた。
今回、不正を指摘されたのは、FCAのSUV「ジープ・グランドチェロキー」2014~16年モデルと、3リットルのディーゼルエンジンを搭載したピックアップトラック「ダッジ・ラム1500」。EPAなどによると、停止状態で行われる排ガス検査の時に比べて、路上走行時は有害物質の亜酸化窒素の排出量が大幅に増え、許容量を超えていた。
問題とされたソフトウェアについてFCAは、排ガス検査をごまかすためではなくエンジン性能を向上させるためのものだと説明し、排気管理システムは規制に準拠していると反論した。
これに対してEPAは、問題のソフトウェアの存在がEPAに公開されていなかったことは、たとえ検査をごまかす意図はなかったとしても、排ガス規制法に違反すると指摘している。
FCAは反論を続ける意向で、「次期政権と協力して当社の主張を展開し、公正かつ公平に本件を解決して、当社のディーゼル車が全ての規制を守っていることをEPAと当社の顧客に納得してもらう」と表明した。
EPAは他社のディーゼル社についても調査を進めていることから、今後さらに別のメーカーが摘発される可能性もある。