サウジのアラムコ、予定通り18年にIPO
アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイ(CNNMoney) 世界最大の石油会社である国営サウジアラムコのアミン・ナセル最高経営責任者(CEO)は19日までに、来年中に同社の株式の一部を上場させる計画に変わりはないことを明らかにした。
スイス・ダボスでの世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に出席した際、CNNMoneyの取材に述べた。上場計画はサウジのムハンマド副皇太子が昨年、同国の新たな経済開発戦略を公表した際に言及していた。
サウジは現在、原油価格の低迷を受けて国家財政の赤字化に追い込まれている。アラムコの上場は新規株式公開(IPO)で世界最大規模になる見通し。サウジ政府当局者はこれまで、上場後の時価総額は約2兆米ドル(約230兆円)に達すると期待している。
市場の合意が得られた場合、株式の5%程度の売却で1000億ドルの資金ねん出が実現する計算ともなる。この額は中国のネット通販最大手のアリババが2014年に実施した世界最大規模のIPOの4倍の水準になる可能性がある。
アラムコによると、同社が握る原油埋蔵量は2610億バレルで、北米大陸の埋蔵量の全体量を上回っている。同社の現在の生産量は日量約1030万バレル。競合相手であるロシアの国営石油会社ロスネフチの2倍以上の規模となっている。
ただ、サウジや他の主要産油国は昨年12月、国際市場での供給過剰を正すため減産に合意しているため、アラムコの今年の生産量は減少する見通し。国際通貨基金(IMF)は原油生産の削減を受けたサウジの経済成長率は今年0.4%程度にとどまると予測している。