トランプ米政権、中国の銀行に制裁 北朝鮮への圧力強化
ワシントン(CNNMoney) 米財務省は29日、中国の銀行が北朝鮮との不正な金融取引にかかわったとして、米国の金融システムから締め出す制裁措置を発表した。核兵器や弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、圧力を強める狙い。
制裁の対象となるのは中国の丹東銀行。米政府によると、北朝鮮の不正な金融取引を支える仲介役を果たしたとされる。
さらに、中国の個人2人と企業1社に対しても新たな制裁を発表した。これは3月に中国の複数の企業や個人に制裁を科したことに続く措置。
ホワイトハウスで記者会見したムニューシン財務長官は、「北朝鮮が行動を正すまで、北朝鮮への資金供給を断つ」と強調。丹東銀行は直接的にも間接的にも、米国の銀行や外国の銀行を通じて米国の金融システムにアクセスすることはできなくなると説明した。
ムニューシン財務長官は、別の銀行が米国などの国際制裁の対象になる可能性も排除せず、「同行は我々が切り離す最初の銀行だ」と指摘。「今後も引き続きこうした行動に目を向けて制裁を打ち出す。北朝鮮への不正な資金供給は全て断ち切る」と語った。
米政府は今回、愛国者法に基づき初めて中国の銀行を制裁の対象とした。過去にはイラン、シリア、レバノンの金融機関に対してこうした措置を適用していた。
米国はこれまで中国に対し、北朝鮮に対する経済的、外交的圧力を強めるよう繰り返し求めてきた。これに対して中国は、北朝鮮に対する影響力は限られると説明。トランプ大統領は現状に対する不満をにじませていた。