仏大統領がEU改革案を発表、共同即応部隊の創設など
(CNN) フランスのマクロン大統領は30日までに、欧州連合(EU)の改革案を発表し、共同の軍即応部隊の創設、合同防衛予算の編成、域外の境界線を守る監視組織の結成や共通の亡命制度などを訴えた。
経済面では、域内通貨のユーロ圏諸国の共通予算を求め、財務相ポストの新設を促した。また2020年までに域内の法人税を一本化するとし、これに従わない加盟国に対しては補助金などを削減する方針に触れた。
これらの改革案は、極右の国家主義の台頭、大量の移民発生や英国のEU離脱などの課題に直面するEUを新たに深化させ、結束力の強化を目指したもの。
マクロン氏は仏ソルボンヌ大学での90分間にわたる長大演説で、「我々が知る欧州は非常に脆弱(ぜいじゃく)で、行動が遅く非効率である」と強調。その上で「欧州だけが我々に世界の舞台で活動できる能力をもたらす」と説いた。
マクロン氏は仏大統領選で親欧州の立場を主張し、勝利を収めた。
同氏の今回の提案はEUの行政執行機関である欧州委員会の委員長を務めたジャック・ドロール氏が25年前に打ち出した構想に似通う。ユンケル現委員長はマクロン氏の改革案を称賛、「EUは前進する勇気が必要」と述べた。
マクロン大統領はまた、自らの改革案が推進された場合、英国が再度加盟を望む事態が生まれる可能性に言及。「改革され、運営が単純化されたEUが生まれれば英国が組織内に自らの位置を見いださないことは想像出来ない」とした。