英LCC破綻、全便キャンセルで11万人が帰国できない恐れ
香港(CNNMoney) 英格安航空会社(LCC)のモナークは2日、ツイッターで航空便の運航とツアー事業を停止すると発表した。資金繰りが行き詰まり、突然の倒産に見舞われたため。これにより、同社を利用した旅行客11万人が帰国できない事態となっている。
モナークの破産管財人となった会計事務所のKPMGによれば、英国を発着するすべての航空便の運航がキャンセルされた。
英民間航空局(CAA)によると、モナークのフライトで向こう2週間内に英国へ帰国する予定だった旅行客はおよそ11万人。すでに予約済みの今後のフライトもキャンセルとなり、CAAはその数を30万件前後と推計している。
CAAは影響を受けた旅行客を支援するためのウェブサイトを開設。現在代替輸送の手配を行っていると説明したうえで、今回の危機的状況について「英航空会社による史上最大規模の破綻(はたん)」との見方を示した。
KPMGのパートナー、ブレア・ニモ氏は「コスト圧力の増大と、競争激化に拍車がかかる欧州短距離航路市場の状況によって、モナークは長期的な営業損失の計上を余儀なくされてきた」「多くの人にとって、今後困難かつ嘆かわしい状況になることは理解できる」と述べた。
欧州のLCCでは、ドイツ2位のエアベルリンが8月に破産手続きを申請。域内最大手のライアンエアーもパイロット不足を理由に先月数千件のフライトをキャンセルするなど、トラブルが相次いでいる。
Monarch customers in the UK: don’t go to the airport. There will be no more Monarch flights. This page will no longer be monitored. pic.twitter.com/hzfQGZ0Ty8
— Monarch (@Monarch) 2017年10月2日