40歳以下の米企業幹部、報酬の上位20人中女性は1人
ニューヨーク(CNNMoney) ビジネスの世界で指摘されてきた男女間の報酬格差は、若い世代にもまだ残っているようだ。40歳以下の米企業幹部が2016年に受け取った報酬のランキングで、上位20人に入る女性は1人にとどまったことが分かった。
企業の役員報酬などについてのデータを提供している米調査会社エクイラーが、証券取引委員会(SEC)のデータに基づいて40歳以下の上位20人を発表した。
女性ではただ1人、航空大手ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスの副社長を務めていたジュリア・ヘイウッド氏が390万ドル(約4億4000万円)で19位に入った。同氏は今年1月に同社を離れ、古巣のボストン・コンサルティング・グループに戻っている。
ランキングの首位はエネルギー大手エクストラクション・オイル・アンド・ガスのマシュー・オーウェンズ社長で、16年の報酬が2600万ドルだった。
背景には、企業の幹部まで上り詰める女性の人数自体が少ないという現状がある。若い世代のキャリアや昇進については、上の世代が依然として決定権を握っているためだと、専門家らは指摘する。
コンサルティング大手マッキンゼー・アンド・カンパニーがIT、金融、小売り、製造業界の計220社を対象に実施した調査によると、昇進を望む割合は男女でほぼ同じだが、実際に昇進する可能性は男性のほうが高い。
ジョンズ・ホプキンス大学の経済学者、マリオ・マーシス教授は「20年後の米国では女性の最高経営責任者(CEO)が増えているだろう。だがそれも、性別役割分担についての社会的通念が変化するスピード次第。変化はゆっくりと起きるものだ」と話している。